副題通り、1920年代のアメリカを描写した社会史・生活史・風俗史の本。

第一次大戦後、ウィルソン的理想主義に倦み、国際連盟への参加を拒否して「常態への復帰」というスローガンと共に孤立主義に閉じ籠り、ボリシェヴィズムの影に怯えて「赤狩り」が行われ、サッコ・ヴァンゼッティ事件を引き起こし、ハーディング、クーリッジ、フーヴァーという凡庸極まる共和党大統領の下、巨大企業重視の自由放任政策を続け、自動車とラジオを中心とした大量消費社会を出現させ、空前の好景気を享受したが、1960年代の対抗文化の先駆けのようなモラルの変容を経験し、誇大広告と煽情的ジャーナリズムによる大衆ヒステリーが繰り返され、リンドバーグなどが英雄に祭り上げられ、禁酒法という明らかに無謀で偽善的な社会的実験が行われ、その弊害からアル・カポネらマフィアが我が物顔で横行し、フロリダにおける狂気のような不動産ブームの後、さらに狂的な株式バブルを膨張させ、ついに1929年ウォール街株価の暴落を引き起こし、大恐慌に全世界を巻き込んだ、1920年代アメリカの大衆社会を活写している。

その醜悪な面は、日本を含む全ての民主主義社会の雛型でもある。

 

 

もちろん、細かな固有名詞やエピソードにこだわる必要は無い。

雰囲気をつかめば十分。

著名な本であり、学生時代から存在は知っていたが、この度初めて通読。

しかし、本にはやはり読み時というものがある。

これを学生時代に読んでいたら、多分途中で挫折するか、嫌々読み終えて何の印象も受けない、ということになっていたでしょうね。

 

ざっと読んで、現在我々が生きている社会を反映する鏡のような叙述を確認できれば、それでよい。

悪い本ではないです。