ハッピーエンド



原題:Happy End
2017/フランス、ドイツ、オーストリア 上映時間107分
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
製作:マルガレート・メネゴス、シュテファン・アルント、ファイト・ハイドゥシュカ、ミヒャエル・カッツ
撮影:クリスティアン・ベルガー
美術:オリビエ・ラド
衣装:カトリーヌ・ルテリエ
編集:モニカ・ウィリ
出演:イザベル・ユペール、ジャン=ルイ・トランティニャン、マチュー・カソビッツ、ファンティーヌ・アルドゥアン、フランツ・ロゴフスキ、ローラ・ファーリンデン、トビー・ジョーンズ、ハッサム・ガンシー、ナビア・アッカリ
パンフレット:★★★★(720円/スマホ型のデザインがニクい。コラム4本も良い感じ)
(あらすじ)
建設会社を経営し、豪華な邸宅に3世代で暮らすロラン一家。家長のジョルジュは高齢のためすでに引退し、娘のアンヌが家業を継いでいた。アンヌの弟で医者のトマには、別れた前妻との子で13歳になる娘エヴがおり、両親の離婚のために離れて暮らしていたエヴは、ある事件をきっかけにトマと一緒に暮らすためカレーの屋敷に呼び寄せられる。それぞれが秘密を抱え、互いに無関心な家族の中で、85歳のジョルジュは13歳のエヴにある秘密を打ち明けるが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。
※本作のネタバレやら伏線やらについては、こちらの記事を読むと良いんじゃないかしらん。


ミヒャエル・ハネケ監督作って、そりゃあ良く出来てるし、映画ファンなら見逃しちゃダメなのかもしれませんが、あまりに救いがない作品ばかりなので、心がダウナー気味な現在、観に行くのはやめようと思っていた…ハズなのに、どうしてだろう、なぜか気になるアイツ&不思議なアイツつーか、「映画秘宝2018年4月号」の紹介記事で柳下毅一郎さんが「ミヒャエル・ハネケが『ハッピーエンド』という映画を作って、それで本当に映画の最後にハッピーエンドが待っていると信じるようなお人好しはもはやこの世にいないだろう」なんて書かれているのを読んで、「決してそんなことない」し、「人生に無駄な恋なんてない」と(1つ全然関係ない文章)。そりゃあ「ファニーゲーム」なんてファニーどころか地獄のような話だったし、厭な映画ばかり撮ってきたハネケ監督ですけど、たまにはホッコリした人情話が撮りたくなったりするかもしれないじゃないですか。そう思うと急激に観たくなったので、5月中旬、横浜のシネマ・ジャック&ベティメンズデーを利用して、「ラッキー」「BPM」とハシゴ鑑賞いたしました。僕が間違っていましたよ… ('A`) ゲンナリ


場面写真や記事の展示。劇場はベティの方で、そこそこの混み具合だったような。


間違いを認める割には偉そうなアレクサンダー・ガーレンを貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
わたしは間違っていた


映画は「自分のハムスターに一服盛って殺す→母親にも実行して昏睡状態にする」という様子を少女エヴ(ファンティーヌ・アルドゥアン)がスマホで撮影→コメント付きでSNSにアップした動画からスタートするから、この時点で「あぁ… ('A`) イヤーン」とゲンナリ顔に。その後、エヴは母と離婚した父トマ(マチュー・カソビッツ)の元に引き取られることになり、建設業を営むブルジョア一家に転がり込むも、ボケ始めたジジイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)を始め、全員が問題を抱えていて…って感じのお話でしてね。終盤に明らかになる「ジジイが妻を殺した」という設定&イザベル・ユペールが娘を演じているのは「愛、アムール」の続編のような…そうではないような…というファジーな位置付けみたい。一応、雑にオチを書いておくと、ジジイから事業を引き継いだ娘アンヌ(イザベル・ユペール)が再婚パーティを開いたら、彼女のダメ息子ピエール(フランツ・ロゴフスキ)が移民を引き連れてきて、会場は大混乱に陥って。そんな中、エヴがジジイの自殺願望を叶えるべく海まで連れて行く→入水自殺が成功するかと思いきや、トマたちが止めに入っちゃうんですが、エヴはその様子すらも淡々とスマホで撮影して終わってましたよ、たぶん。


これは終盤、乱入してきたピエールにみんなが注目しているというシーンでした。



まぁ、さすがはハネケ監督というか。柳下さんが書かれていた通り、“逆の意味で「ハッピーエンド」”的な作品だったワケですけど、とても面白い“厭な映画”でして。「自分のことばかりで周囲に目を向けない現代人」的なメッセージはなかなか耳が痛いなぁと。あと、再婚パーティを台無しにした息子の指を即座に折るイザベル・ユペールは100点だったし(スゲー笑った)、トマが浮気相手と「尿を飲みたい」といったアホ丸出しなエロチャットをやっているのをエヴに把握されていたくだりは、同じ娘を持つ父親として居たたまれなかったというか、「将来、このブログを読まれたら!? (°д°;) ヒィィィ!」と考えて怯えたりしましたよ…。つーか、「子どもには愛情を注ぐことが一番大切」なのでね、僕も“自分のこと”ばかりにかまけてないで、娘との時間を大事にしようとあらためて思いました。おしまい。




本作との繋がりを感じさせるミヒャエル・ハネケ監督作。僕の感想はこんな感じ



パンフによると、“毒を盛る少女”については日本の「母親毒殺未遂事件」にインスパイアされたとか。