文侯のもとを退出した李克のところへ、李克が次の大臣について問われていると聞いた翟璜がやってきます。そして、「次の大臣は誰に決まっただろうか?」と問います。李克は、ライバルの魏成に決まるだろうと答えました。翟璜は怒ります。「呉起も西門豹も楽羊も私が推薦し、中山を治めるのに適した人物として貴方を推したのは私ではないか」と詰りました。

 李克は「貴方が私を推薦してくれたのは主君に阿り、貴方が出世するためだったのでは無いのですか?魏成の推した人物はいずれも文侯が師として教えを仰ぐ方々で、貴方が推した人物はいずれも部下として使っています。どうして貴方が魏成と争うことができるでしょうか」と応えました。これには翟璜も返す言葉が無かったそうです。

 多くの名士を抱えて魏を興隆に導いた文侯が亡くなり、まだ幼い武侯が即位します。

 武侯は宰相を置くことにしますが、その栄誉ある座には西河の太守として飛ぶ鳥を落とす勢いの呉起ではなく、田文が任じられました。呉起はとても納得ができず、田文にどちらが宰相に相応しいかと詰め寄ります。

呉起「三軍の将となり、兵士を束ね、敵の意図を挫く点で、私と貴方のどちらが上か?」
田文「貴方だろう」
呉起「百官を取り仕切り、民に親しみ、官庫を満たすのはどちらが上手いだろうか?」
田文「貴方だろう」
呉起「西河を守り、秦の東進を防ぎ、趙、韓に睨みを利かせるのはどうか?」
田文「貴方だろう」
呉起「この3つの全てで私は貴方を上回るというのに、どうして位は貴方のほうが上なのか」
田文「では、君は幼く国の者は不安に思い、大臣は心服せず、人民からの信望もない。このような状況において、どちらが宰相に相応しいだろうか?」

 呉起は暫し考え込んだ後、「貴方でしょう」と認めました。田文は、「だからこそ、私が宰相に任じられたのです」と言い、会話を締めくくったそうです。呉起は野心が強すぎ、そして功績が巨大過ぎて警戒を生まずにはいられなかったのでしょう。


面白いと思ったら押して下さると嬉しゅうございます^^

人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村