サニー 32



2018/日本 上映時間110分
監督:白石和彌
脚本:高橋泉
スーパーバイザー:秋元康
製作:永山雅也、間宮登良松、三宅容介
エグゼクティブプロデューサー:千葉善紀
企画:石田雄治
プロデューサー:高橋信一、押田興将
撮影:灰原隆裕
美術:多田明日香
照明:谷本幸治
録音:浦田和治
装飾:佐々木健一
衣装:高橋さやか
ヘアメイク:有路涼子
音響効果:柴崎憲治
編集:加藤ひとみ
音楽:牛尾憲輔
主題歌:牛尾憲輔、田渕ひさ子
キャスティング:安生泰子
助監督:佐和田惠
制作担当:宮森隆介
出演:北原里英、ピエール瀧、門脇麦、リリー・フランキー、駿河太郎、音尾琢真、山崎銀之丞、カトウシンスケ、奥村佳恵、大津尋葵、加部亜門、松永拓野、蔵下穂波、蒼波純
パンフレット:★★★(700円/沖田修一監督のカメオ出演など、小ネタの説明がありがたい)
(あらすじ)
仕事も私生活も今ひとつの中学校教師・藤井赤理は、24歳の誕生日に2人組の男に誘拐されてしまう。誘拐犯の柏原と小田は、「犯罪史上、もっとも可愛い殺人犯」と呼ばれ世間を騒がせた少女サニーの狂信的な信者で、赤理を「サニー」と呼んで監禁するのだが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




40点


「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督が「殺人鬼モノを撮った」と耳にして、興味が湧きまして。3月1日=ファーストデイサービスを利用して、TOHOシネマズ新宿にて「15時17分、パリ行き」を観てから、新宿バルト9に移動して、1番スクリーンで鑑賞いたしました(その後、「ザ・シークレットマン」を観てからまたTOHOに戻って、「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」と2回目の「15時17分、パリ行き」を観た)。珍品でしたな… (`Δ´;) ヌゥ なんて言うんですかね、本作は、良く言えば「ジェットコースタームービー」であり、悪く言えば散漫な作りの映画でして。好きな人もいるだろうし、その気持ちは決して間違っていないんですが、僕はかなり乗れなかったので、本作を楽しめた方は僕の感想を読まない方が良いと心から思うのです (´・ω・`) ウーン


バルト9のロビー外れにはこんな展示がありまして。


北原里英さんのマネキン、微妙にリアルなのです… (`Δ´;) ヌゥ


手狭な1番スクリーン、3分の2ぐらいは埋まってたんじゃないかしらん。



最初にあらすじを適当に書いておくと、ある日、中学校教師の藤井赤理が2人の男に拉致→監禁されまして。小学校のころに同級生を殺して話題となった未成年犯罪者「サニー」じゃないかということで、ネットで募集した信者が続々と集まって、崇め奉られつつも、その中に殺された小学生の兄がいたため、いろいろと面倒くさいことになるんですが、しかし。途中で吹っ切れた赤理が、ネット中継しながらサニー信者どもの“心の弱さ”を突いていくことで立場が逆転! 赤理はサニーとして新興宗教の教祖的な立場になって、左団扇の生活を送っていた…と思いきや、“2人目のサニー”が登場。「偽物だったのね!川`Д´)ノ」と信者がキレたり、警察が介入したりしながらも、サニーの影響でイジメっ子どもを殺そうとする教え子・向井を止めに向かいましてね。最後は、結局、何もできなかった向井を赤理が抱きしめて、映画は終わってたんじゃないかな、確か。

もうね、近年稀に見るほどにキツかった。話が進むと、「小学生のころに同級生を殺した」という「サニー」が佐世保小6女児同級生殺害事件の加害者をモデルにしていることはすぐわかるワケですが、正直なところ、ふざけすぎていて不快。登場人物の死に方がバカバカしい上に「享年」なんて出るあたり、わざと露悪的に撮っているのはわかりますけど、それでもイラッとするというか。「乗れない悪ふざけ」を延々と見せられた心境…って、伝わりますかね。

マジで劇場を出たくなったのが「キタコレ」シーン。赤理が信者たちを説教して籠絡すると、中継中のネットの画面では「キタコレ」なんて文字がニコ動ライクに流れるんですけど(劇中では、本音を吐露する行為を「キタコレ」と呼ぶようになる)、まず、北原里英さん演じる赤理の説教にそんな力があるように見えなくてかなりキツい。しかも、「キタコレしちゃえよ」なんてネットの描き方が安くて恥ずかしい。百歩譲って、「ニセモノのサニーにすがるようなアホ揃い=わざとそう撮っている」ということなのかもしれませんが、あんな小娘の説教に心動かされるのがありえなさすぎるし、北原里英さんの演技にその説得力が感じられない。ごめんなさい、スゲー気持ち悪かったです。

だから、当ブログ初の0点を付けても良いぐらい不快だったんですが、意外と真摯な作りでもあるのがタチ悪いなぁと。映画終盤に出てくる、門脇麦さん演じる“2人目のサニー”の存在が物凄い上に、赤理との対話、そしてラストの教え子を抱きしめるシーンは、非常によく出来てましてね。監督と脚本家は、元となった佐世保小6女児同級生殺害事件をかなりリサーチしたそうですが、思考停止して加害者を「悪」と断罪せず、「誰にでも起こり得ること」として描いたのは、「そうだよなぁ」と。最近は「実際にあった事件」を扱うのがデリケートになってきている事情もあるので、「あえてこんな弾けた映画にしたのかな」なんて思うと、不快感も減少していく…ってな調子。

あと、北原里英さんのアイドル映画としてはスゲー良いと思う。雪の中を歩くシーンは頑張ってたし、僕が大嫌いな「キタコレ」シーンも、彼女が無茶振りを必死にこなしていると思えば、グッとこなくもない。それと、本作の門脇麦さんは凄まじいのひと言で、彼女のシーンだけでも金を払う価値があった…って、偉そうですな (´∀`;) エヘヘ 何はともあれ、僕は現時点で今年のワーストに感じるほど不快なシーンが多かった反面、良いシーンも結構あったので、「珍品… (`Δ´;) ヌゥ」という着地でございます。とは言え、1ミリもオススメはしません。おしまい。




デジタル盤のサントラ。CD盤もあります。



なんとコミカライズされてました。



佐世保小6女児同級生殺害事件のノンフィクション。オススメです。



白石和彌監督作で一番好きなのはこれです。僕の感想はこんな感じ