バケツと僕!



2017/日本 上映時間106分
監督・脚本:石田和彦
原作・脚本:北島行徳
エグゼクティブプロデューサー:柿崎ゆうじ
企画・プロデューサー・脚本:竹山昌利
プロデューサー:竹山昌利、古谷謙一
脚本:山田耕大
撮影:佐々木原保志
照明:安河内央之
録音:橋本泰夫
美術:黒田享大
編集:細野優理子
音響効果:伊藤進一
整音:野村みき
音楽:安川午朗
主題歌:紘毅
スクリプター:長坂由起子
助監督:宮村敏正
制作担当:松田憲一良
出演:紘毅、徳永ゆうき、岡本玲、竹島由夏、二木てるみ、渡辺梓、肥後克広、上島竜兵、寺門ジモン、海原はるか、海原かなた、杉田かおる、あべけん太
パンフレット:★★★(700円/笠井信輔さんのコラムが面白かった)
(あらすじ)
養護施設で働くことになった神島は軽度の知的障害を持ち、盗癖のある「バケツ」というあだ名の15歳の少年と出会う。母親から虐待を受け、捨てられて施設に入ったバケツは、唯一の兄弟からも見放され、施設からも追い出されてしまう。神島はそんなバケツを引き取り、面倒をみることになるのだが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




65点


アンチテーゼ北島選手こと北島行徳さんによる原作小説が大好きだったので(彼が立ち上げた障害者プロレス団体を扱ったドキュメンタリー「DOGLEGS」2016年のベスト)、非常に興味が湧いた&応援の意味も込めて、前売り券を購入。公開週の3月上旬、ケイズシネマで観て来ました(その後、新宿武蔵野館に移動して「RAW 少女のめざめ」を鑑賞)。「歌、超うめぇ!Σ(゚д゚;)」と驚いたのよ。


ケイズシネマに来るのは「ビハインド・ザ・コーヴ 捕鯨問題の謎に迫る」以来。


劇場には出演者のサイン入りポスターや…。


記事の切り抜きがありましてね。


主題歌が入ったCDも売ってましたよ。


入場者プレゼントとしてうなぎいもサブレをもらいました。サックリして美味い!Σ(゚д゚) ソノマンマ



お話は連作短編集である原作小説の第1話「バケツ」がベースに、第2話「噛む子」に出てくる「天国、地獄、どっちいく〜♪」のフレーズを加えた感じ。ザッと書いておくと、養護施設で働くことになった神島(紘毅)は、軽度の知的障害を持つ「バケツ」というあだ名の少年(徳永ゆうき)と出会いまして。ひょんなことから彼を引き取ることになったものの、バケツの盗癖が発動して激怒→バケツが出て行ってしまって。「バケツを必要としていたのは僕だったんだ!Σ(゚д゚;)」と気付いた神島は、大学の先輩・黒田(岡本玲)と必死に捜索。養護施設で対立した職員・山崎(杉田かおる)にイヤミを言われながらもヒントをもらって、「バケツの母親が死んだ場所」に行ってみれば、車にはねられながらもバケツと再会して、めでたしめでたし。エピローグでは、神島がギターを弾きながら主題歌「桃色ファンタジー」「虹色のファンタジー」を歌う中、バケツが新聞配達を始めたり、黒田が1人芝居で評価される姿が映ったりして。砂浜に置いてあるバケツと足跡、そして人の姿が映って終わってたのよ、たぶん(オープニングと対をなすムード)。


最後に流れる「虹色のファンタジー」を貼っておくのね↓




基本的には原作と同じ流れなんですが、映画化に際して、ところどころ変えられている部分があって。予算の都合だったり、盛り上げる展開を作るためだったりしたんでしょうけど、僕的にはそれがことごとく合わなかった印象。なんて言うんですかね、小説には小説の良さがあるということに今さら気付いたというか。虐待要素がクローズアップされたり、バケツの姉・美由紀(竹島由夏)が彼氏(藤原季節)とイチャつく様子が映ったりすること自体は良いんですが、映像化されてリアルに感じる分、普段の養護施設の様子とか、バケツを引き取る前に役所を頼れないのかとか(小説では説明がある)、気になるところも増えちゃったのよ。特に乗れなかったのがドラマチックにした部分。失踪したバケツを探しに行くくだりに「ビラ張り」や「山崎のアドバイス」を追加してましたが、ちょっと辟易したし、ラストの「真っ昼間の商店街でのひき逃げ」とか、“映画を盛り上げるための事故”にしか見えなくて、少しバカバカしかったです。エピローグで黒田が1人で芝居をする場面がハッピーエンド風に描かれていたのも微妙で、彼女が情熱を傾けていた「劇団 犬の後ろ足」の舞台が評価されるシーンを見せるべきじゃないの…って、不満ばかり書いちゃいましたな (´∀`;) スミマセン


まぁ、僕の不満なんて製作者サイド的には百も承知レベルなんでしょうけど…という烈海王



ただ、低予算映画だし、あの地味な原作を映像化するには仕方ないのかなぁと。良いところに目を向ければ、役者さんたちの演技、特にバケツ役の徳永ゆうきさんは素晴らしかった(あと、今をときめく藤原季節さんのチャラ男演技がステレオタイプすぎて笑った)。お金がない中(勝手な決めつけ)、回想での交通事故シーンをしっかり見せたのは偉いし、最後の事故のシーンも「神島は交通事故で家族を失っている→事故で新たな家族を見つけた」と解釈すれば飲み込めなくもない(「再生した」的な意味合い)。何よりも衝撃を受けたのが、ラストに披露される神島役の紘毅さんによる主題歌で、「天国、地獄、どっちいく〜♪」というフレーズをポップな曲調に落とし込んだ力業に感心するだけでなく、「歌、超うめぇ!Σ(゚д゚;)」と。恥ずかしながら僕は紘毅さんのことを存じ上げなかったんですが(汗)、映画仲間のソーイングさんによると結構有名な歌手だそうで。劇中の役とのギャップもあって(一応、「バンドをやってた」的な設定はありましたがー)、ラストで披露した美声にはマジでビビったし、ついCDを買おうかと思ったものの、金欠気味なので諦めたほどだった…って、なんだそりゃ ( ゚д゚)、ペッ


バケツ役の徳永ゆうきさんとのユニット「ゆうきひろき」「白い雲のように」を歌ってたりもするのね↓




あと、本作では“イヤな奴”ポジションですが、暴力を振るった職員・山崎や、バケツを見捨てた姉、さらには“DVの挙げ句に野垂れ死んだバケツの母親”についても「彼女たちも彼女たちなりに必死」というように描いているのは好感が持てました。僕は何よりも「血縁を持ち出して物事を強制させる人間」が大嫌いなので、例えば「家族なんだから面倒をみるべき」なんて“「正しい」とされる道徳”に疑問を呈すキッカケにもなるんじゃないかな…な〜んて文章を書いていたら、知恵熱が出てきたでガース!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ! 何はともあれ、僕的には原作小説の方がオススメだけど、興味がある人はぜひ優しい気持ちで観てあげてほしいのね。ちなみに、この感想文がところどころオネエ言葉っぽい文章になっているのは、バケツの言い回しを意識したからなんですけど、スゲー中途半端な感じになっちゃって、本当にすみませんでした… (ノω・、) ゴメンナサイ




北島行徳さんによる原作小説。非常に面白いです。



主題歌「虹色のファンタジー」が収録されたゆうきひろきのアルバム。デジタル盤もあります。